校長室から

令和6年度 第8回陽光祭あいさつ

2025年3月13日 11時59分

 今年度の陽光祭を、3月11日(火)12日(水)の2日間にわたって行いました。春らしい好天のもと、生徒や教職員、保護者の皆様でにぎわい、楽しい文化祭となりました。

【開会式】
 皆さん、おはようございます。陽光祭の準備中に、ホームルーム活動や部活動、委員会活動などで仲間と助け合いながら、企画への参加者や来場者に楽しんでもらうための工夫や努力を続けてこられたことを聞いています。その成果が披露されることを待ち遠しく思います。
 どうか、今日と明日、そして合唱コンクールが行われる明後日を含めこの3日間は、発表や展示などを行う人だけでなく、全員が文化活動に参加して、一人ひとり「最高の輝き」の笑顔となるような、忘れられない青春の思い出としてください。
 「文化」という言葉は英語の「culture」の日本語訳です。そのcultureは、ラテン語の「耕す」を意味する言葉からきています。「土地を耕す」という意味で用いられていた言葉が、やがて、「心を耕す」の意味でも使われるようになり、そこから、心を耕す糧となるもの、「文化」を意味するようになったと言われています。
 これから、様々な「文化」的な活動に親しみながら心を耕し、身の回りの楽しいことや、うれしいことに気づくことのできる、やわらかな感受性を養ってほしいと思います。以上で、開会のあいさつとします。

【閉会式】
 皆さん、陽光祭を十分に楽しみましたか。どの企画や販売も、参加者や購入者に楽しみ、喜んでもらう工夫がなされていました。準備中や当日に精一杯の努力をされた皆さんに、心から拍手を送ります。
 さて、開会あいさつの中で、「様々な文化的活動に親しみながら心を耕し、身の回りの楽しいことやうれしいことに気づくことのできる、やわらかな感受性を養ってほしい」、と話しました。これを心がけると、皆さんの気持ちが明るく前向きなものになるでしょう。これからも、ぜひ続けてください。
 陽光祭の「陽光」とは、太陽の光のことです。今日は特に、春を感じさせる穏やかで温かな光でした。春は始まりの季節。この2日間の学校行事を、1年生から5年生の力で成し遂げました。これからも自信を持って、皆さんの力を合わせながら松山西中等教育学校をよりよい学校にしていきましょう。
 最後になりましたが、生徒や教職員の皆さんをはじめ、お世話になったすべての方に改めて心から感謝の気持ちをお伝えし、閉会のあいさつとします。ありがとうございました。

松山西PTA会報「にし」掲載文

2025年3月7日 08時54分

3月1日に松山西中等教育学校PTAが発行した会報に、「小さなこと」と題した文章を書かせていただきました。

 保護者の皆様には、平素から本校の教育活動に御理解と御協力を賜り、厚くお礼申し上げます。また、創立50年の周年期間である昨年度と今年度は、様々な行事等にお力添えくださり重ねて感謝申し上げます。
 さて、昨年3月発行の会報に、式や紙面での挨拶の機会を、生徒に語りかけられる貴重な授業時間だと思い大切にしていると書きました。本会報をお借りして、普段どのようなことを伝えているかをお示しするとともに、お子様にメッセージを送らせていただきます。

 私は自分の力の足りなさを思い知ることがあります。そして、それを繰り返すと何事にも自信をなくし、自分の価値を見失いそうになります。そのようなとき、自分を慰め励ますためにアメリカの詩人エミリ・ディキンスンの言葉を思い浮かべます。
   一つの心が壊れるのをとめられるなら
   わたしの人生だって無駄ではないだろう
   一つのいのちの痛みを癒せるなら
   一つの苦しみを静められるなら
   一羽の弱ったコマツグミを
   もう一度、巣に戻してやれるなら
   わたしの人生だって無駄ではないだろう
 誰に対してでも、かりに人間以外の動物であっても、「一つのいのち」の悲しみを和らげたり、悩みを軽くしたり、苦しみを静めたりすることができたなら、その人の人生は無駄ではない。そのような、ささやかながらも尊い行いを一度でもしたなら、それだけで、生まれてきた意味はある。例えば、自分が誰かに、「こんにちは」とか、「元気にしてる」とか、「お疲れさま」とか、「ありがとう」と笑顔で言葉をかけたことによって、声をかけられた人の心が明るくなり、その人が少しでも前向きな気持ちになったとすれば、それだけで自分の人生は価値を持つ。そう自らに言い聞かせることで、自分に自信をもてないことから救われました。
 多くの人にほめ称えられる成果を上げることが優れているのは言うまでもありません。一方で、日々の暮らしの中で、目の前のひとりの人に対して、見過ごされがちな小さな善行を心がけるのも、同じように素晴らしいことです。むしろ私は、後者の行いやそのような行いを大切にしている人に、深く心を揺さぶられます。エミリ・ディキンスンは、1羽の弱ったコマツグミを巣に戻すという行為に、それを行った者の人生が全肯定されるほどの価値を見出しました。私もまた、大きなことよりも小さなことの中に一層重要なものが包み込まれていると信じて、これからも何気ない振る舞いや表情、言葉遣いや言葉そのものを大切にし続けたいと思っています。

 教員は、生徒に伝えたいと思うことが生徒に伝わったとき、無上の喜びを感じます。これからも本校は、教職員一丸となって保護者の皆様と一緒に、お子様の成長を支えてまいります。

学校新聞第34号「卒業生に贈ることば」

2025年3月5日 16時47分

 3月1日に発行した松山西中等教育学校新聞に、「みんなちがう みんなおなじ」と題した「卒業生に贈ることば」を書きました。

 詩人の金子みすゞ(ず)は、作品『私と小鳥と鈴と』の中で、空を飛ぶ小鳥も、きれいな音を出す鈴も、地面を速く走れてたくさんの唄(うた)を知っている私も、それぞれに備わる、他にはない「よさ」を発揮していると語り、「鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがって、みんないい」とつぶやいています。
 この詩を初めて読んだとき、多様性の大切さに触れつつ、「ちがい」はありながらも、あることにおいては、みんな同じなのだという普遍性への信頼も込められていると感じました。そして、ソプラノやテノールなどの各声部が独立したメロディーとなって対等に絡(から)み合いながら協和し、透明で美しい響きが広がるポリフォニー(多声音楽)を思い浮かべました。この世に奇跡的に存在し、誰一人として同じ者のいない私たちには、それぞれに「その人らしさ」が備わっています。誰もが、「鈴や小鳥や私」のように自分らしさを発揮するとき、すなわち、一人ひとりちがう生活を丁寧に過ごすとき、その人にしか出せないメロディーが奏でられているのでしょう。それらを重なり合わせ、人間としての壮麗なポリフォニーを響き渡らせるために、「ちがい」は与えられているのかもしれません。
 卒業される第17期生の皆さん、自分らしさを失わず一日一日を大切にしてください。

令和6年度卒業証書授与式 式辞

2025年3月1日 16時35分

 3月1日(土)10:00から、本校体育館にて第17期生の卒業証書授与式を行いました。卒業生は皆、担任の呼名に対して、気持ちのこもった返事をしました。

 校庭の木々の芽も膨らみ、暖かい春の訪れが感じられる今日の佳き日に、本校を見守り支えてくださっている、PTA会長の菅野 雅之様をはじめ御来賓の方々、保護者の皆様方の御臨席を賜り、令和6年度愛媛県立松山西中等教育学校卒業証書授与式を挙行できますことは、我々教職員一同にとりまして大きな喜びであります。厚くお礼申し上げます。
 ただ今、卒業証書を授与いたしました143名の皆さん、卒業おめでとうございます。拍手を送り、お祝いを申し上げます。また、保護者の皆様には、お子様の御卒業、まことにおめでとうございます。大切に慈しみ育ててこられたお子様が、このように立派に成長され、本日ここに卒業の日を迎えられましたこと、感慨もひとしおのことと拝察いたします。心からお喜び申し上げます。
 さて、本校では6年間の学びを、基礎・充実・発展の三つの時期に分けています。卒業生の皆さんは、その内の基礎期と充実期に当たる1年生の終わりから5年生の始まりまで、新型コロナウイス感染症の影響を大きく受け、授業や学校行事、部活動などの教育活動において様々な制約を余儀なくされました。皆さんの安全・安心のためとはいえ、我慢を強いられる中で戸惑いや不安、落胆や不満、心残りや寂しさを感じた人も多かったでしょう。しかし、そのような中にあっても皆さんは、困難な状況を受け止め、自らすべきことやできることに真面目に向き合い、やりがいや楽しみを積極的に見いだしながら一生懸命に取り組まれました。人類の歴史に大きく記されるであろう「コロナ禍」を、たくましく乗り越えてこられた三年数か月は、今後の皆さんの人生に必ず生かされる貴重な「基礎・充実期」であったと言えます。自信を持ってこの経験を糧にし、歩み続けてください。
 そのような皆さんに話しておきたいことがあります。本校第1教棟の1階通路東側の壁に、「感動」の二文字の書が飾られています。私は、紙面に納まらず躍動しているかのようなその書を眺めるたびに、文字通り、強い感銘を受け深く心を動かされます。そして、幸せな気分になり、生徒のため、教職員のため、学校のために今日も頑張ろうという気持ちになります。感動とは、感じること、何かに気付くことによって心が動かされ、それを行動に移すこと、体を動かすことです。人間にとって大切な力の一つは、相手の気持ちを汲み取り、自分の体験から相手の気持ちを理解し同調しようとする共感力ですが、その力は感動の体験を積み重ねることによって培われます。皆さんにはこれからも、柔らかく瑞々しい感受性を持ち続け、「夢に向かって心と体を動かし、みんなを輝かせる人」であってほしいと心から願っています。
 終わりになりましたが、保護者の皆様には、長い間、本校を温かく見守ってくださり、多大なる御支援と御協力を賜りましたこと、深く感謝申し上げます。
 卒業生の皆さん。出会いにおいて大切なことは、周りの人の言動のなかに共感できるものや新しくひらめくものを見出せる感受性を自分が持っているかどうかです。たとえば、ある人の優しさや強さを感じ取ることのできる者にとっては、その人が大事な友人になるかもしれませんが、気付かない者にとっては、ただ通り過ぎてゆく人でしかないでしょう。つまり、どういう人と、どのような出会いをするかは、その時々の自分自身の内面や生き方によって左右されます。出会いは自己を映す鏡なのです。どこにでも、よい出会いは必ずあります。会えてよかったと思える人がいます。そう信じて、それぞれの場所で自分に与えられた役割を精一杯果たしてください。すると、優しい人や頼りになる人が自分の周囲に集まってきます。というよりも、そのような人が周りにいることに気付くことができます。そのとき、周りの人にとって、自分も、かけがえのない存在になっています。
 皆さんがこれから、一人ひとりに与えられた場所で自分らしい人生を誠実に歩まれることを願い、皆さんの御多幸と御活躍をお祈りし、式辞といたします。
      令和7年3月1日
      愛媛県立松山西中等教育学校長 佐々木 進

第3学期始業式 式辞

2025年1月14日 20時06分

 1月7日(火)、本校体育館において第3学期始業式を行い、生徒たちに次のような話をいたしました。

 皆さん、おはようございます。明けましておめでとうございます。今年も、よい年にしてください。
 さて、これまで皆さんに繰り返し伝えてきた言葉が二つあります。一つは、本校の重点努力目標である、「Ever Shining - 夢に向かって心と体を動かし、みんなを輝かせる人であれ-」です。もう一つは、2学期の終業式でも話した「誠実」です。誰に対しても真心を持って接し、優しく思いやりがあり、何事にも真面目に一生懸命に取り組む人に、私は誠実さを感じます。そして、私自身もそのような人になりたいと思っていますが、まだまだです。だから、体の中から温かくなるような誠実さを忘れないように、時々、童話や児童文学を読み返しています。
 その中の一冊が、去年の卒業式の式辞で紹介した、児童文学作家の斎藤隆介が書いた『花さき山』という童話です。これまで、いろいろな式や行事などにおいて私が皆さんに話した内容は、学校ホームページの「校長室から」に載せているので、その式辞を読んだ人がいるかもしれません。物語に出てくる「花さき山」という山では、人間が思いやりの気持ちをもって優しいことを一つすると美しい花が一つ開きます。そして、山にはそのようにして咲いた花が一面に広がっています。この童話は、優しい行為が気高く美しいものであること、多くの人が見返りを求めることなくそのような行いをしていて、どこかで花を咲かせていることを教えてくれます。「花さき山」は、優しいことをした人、された人、それを知った人のそれぞれの心の中にある、と私は思っています。
 皆さん。自分自身がしたいことやすべきことに丁寧に取り組み、誠実であろうとする気持ちを大事にしながら、充実した3学期を送ってください。今日はとても寒いですね。以上で始業式の式辞とします。

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 校長   中島 康史


 愛媛県立松山西中等教育学校のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
 本校の前身は、昭和49年に創立された愛媛県立松山西高等学校です。前年の昭和48年に起きた世界的な石油危機の影響によって開校当初はプレハブ校舎しかなく、生徒たちは、荒れた運動場を教職員と一緒に整地するなどしながら、「新しい学校を自分たちで創る」という「開拓者精神」を発揮しました。そして、雨が降ると、トタン屋根のプレハブ校舎がけたたましく鳴り始めるので、これに負けてはならないと教員の声が校舎の外にまで響き渡り、当時は、生徒と教職員が同様に、不自由な思いよりも新たな学校建設への熱気に包まれた毎日であったといいます。
 その後、生徒と教職員が力を合わせて創り上げた松山西高等学校の歴史と伝統を受け継ぎつつ、平成15年に愛媛県立松山西中学校が併設され、平成18年に、中予地域の県立学校で唯一中高一貫教育を行う、現在の愛媛県立松山西中等教育学校となりました。先述の、創立時に育まれた開拓者精神と、高い理想を求めて生徒と教職員が共に汗を流す「師弟同行」の精神は、今も学校のモットーとして様々な教育活動の中に息づいています。
 本校は、1学年4学級で前期課程3年間と後期課程3年間の計6年間を一貫して学ぶ中等教育学校です。「誠実・自学・創造」の校訓のもと、豊かな心と知性を身に付け、高い志を持って、未来を拓く若者を育成する、という教育方針の中で、生徒たちは1年生から6年生までの幅広い年齢集団の中で自分の「学び」を深め、高め合いながら、たくましく成長しています。授業や学校行事、部活動などを通して自らの夢や希望をかなえようと努力している生徒たちの輝きと伸びゆく力を、これからも教職員全員で守り支え続けてまいります。
 
  令和7年4月