第2学期終業式 式辞
2023年12月20日 15時54分 12月20日(水)、体育館で第2学期終業式を行い、全校生徒と教職員に次のような話をいたしました。
皆さん、おはようございます。最近、驚いたことがありました。1か月くらい前に新しい洗濯機を買ったのですが、乾燥作業が終わって洗濯物を出すために蓋を開けると、「すぐ取りに来てくれてありがとうございます。」と表示されます。驚いたのは機能そのものではなく、そのように自動的に設定された感謝の言葉であってもうれしくなり、次もすぐに取りに来ようという気持ちになったことにびっくりして、とても不思議な感覚にとらわれました。もちろん、私がそう感じただけで、誰もが同じように思うわけではありません。一人ひとり、モノの見方や受け止め方は異なります。
さて、そのように、人によって感じ方や考え方、能力などが違う中で、私たちは常に誰かと関わり、折り合いを付け、様々な目的を達成しながら生活しています。実はそこに、喜びや楽しみだけでなく悩みや不満も生まれてしまう原因の一つがあります。例えば、クラスメイトや部活動の他の部員との関係において、仲良くすべきだと思っていても、つい自分を他の人と比べて悩んだり、他の人が自分の思いどおりにならずに不満を持ったりします。しかも、それを心の中に抱え続けていると自分自身が辛くなり、場合によっては、周りの人の心を傷つける言動をとってしまうことがあります。
皆さんの中に、自分を誰かと比べてしまって自信がもてずにいる人や、相手との関係をうまく保てずに困っている人はいませんか。そのような人に、特に参考にしてもらいたい、心の持ち方を二つ話します。
一つ目は、1学期の始業式でも話したことですが、目の前の人に対して、何気ない振る舞いや表情、言葉遣いや言葉そのものを大事にする、そのような小さな善い行いを心がける、ということです。もし、あなたが誰かに笑顔で言葉をかけたことによって、声をかけられた人の心が明るくなり、その人が少しでも前向きな気持ちになったとすれば、それだけで、あなたの人生には意義があるのです。どうか、自信を持って小さな善い行いを続けてください。
二つ目は、関係がうまくいかない相手と一緒に何かをしなくてはならないとき、相手が変わるのを待つのではなく、自分の受け止め方を変えてみる、ということです。相手なりに一生懸命なのでは、何か理由があるのでは、問題や課題を抱えているのではと、相手のことを思うようにすると、自分の気持ちが冷静になり、やがて自分の言動が変わり、それによって相手との関係がよい方に向かった経験が、私にはあります。
皆さんには、今話したことを参考にしてもらいながら、この冬休みの間に、人との接し方について考えてほしいと思います。そして、感染症対策をはじめ、体調には十分に気を付けて、よい年を迎えてください。特に6年生は、自分の進路実現のために、丁寧に時間を使ってください。3学期の始業式で、皆さん全員と元気な挨拶を交わすことを楽しみにしています。