お知らせ

 

 校長   佐々木 進


 愛媛県立松山西中等教育学校のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
 本校の前身は、昭和49年に創立された愛媛県立松山西高等学校です。前年の昭和48年に起きた世界的な石油危機の影響によって開校当初はプレハブ校舎しかなく、生徒たちは、荒れた運動場を教職員と一緒に整地するなどしながら、「新しい学校を自分たちで創る」という「開拓者精神」を発揮しました。そして、雨が降ると、トタン屋根のプレハブ校舎がけたたましく鳴り始めるので、これに負けてはならないと教員の声が校舎の外にまで響き渡り、当時は、生徒と教職員が同様に、不自由な思いよりも新たな学校建設への熱気に包まれた毎日であったといいます。
 その後、生徒と教職員が力を合わせて創り上げた松山西高等学校の歴史と伝統を受け継ぎつつ、平成15年に愛媛県立松山西中学校が併設され、平成18年に、中予地域の県立学校で唯一中高一貫教育を行う、現在の愛媛県立松山西中等教育学校となりました。先述の、創立時に育まれた開拓者精神と、高い理想を求めて生徒と教職員が共に汗を流す「師弟同行」の精神は、今も学校のモットーとして様々な教育活動の中に息づいています。
 本校は、1学年4学級で前期課程3年間と後期課程3年間の計6年間を一貫して学ぶ中等教育学校です。「誠実・自学・創造」の校訓のもと、豊かな心と知性を身に付け、高い志を持って、未来を拓く若者を育成する、という教育方針の中で、生徒たちは1年生から6年生までの幅広い年齢集団の中で自分の「学び」を深め、高め合いながら、たくましく成長しています。授業や学校行事、部活動などを通して自らの夢や希望をかなえようと努力している生徒たちの輝きと伸びゆく力を、これからも教職員全員で守り支え続けてまいります。
 
  令和5年4月

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創立50周年記念式 式辞

2023年11月1日 18時26分

 11月1日(水)、さわやかな秋晴れのもと、本校体育館にて創立50周年の記念式を挙行し、引き続いて記念講演、記念コンサートを行いました。多くの方々のご協力とご支援によって、すべての行事が、本校の良き伝統が細部にまで息づくような心温まるものとなりました。深く感謝申し上げます。

【50周年記念式 式辞】
 清らかな秋深まる今日の佳き日に、本校を見守り支えてくださる歴代の校長先生方、同窓会役員の皆様、PTA役員の皆様に御来賓として御臨席を賜り、愛媛県立松山西高等学校・松山西中等教育学校創立50周年記念式を挙行できますことは誠にうれしく、生徒、教職員を代表して心からお礼を申し上げます。
 本校は昭和49年に愛媛県立松山西高等学校として開校し、平成15年に県立松山西中学校が併設され、平成18年に中予の県立学校で唯一中高一貫教育を行う愛媛県立松山西中等教育学校となりました。これらの変遷を経て今日まで50年の歴史を重ね、15,000名を超える卒業生の皆様が、地域の産業や経済、文化の発展に大きく寄与され、全国各地で多方面において活躍しておられることは、私たちの誇りであります。
 本校の創立1年目の姿に思いを馳せるべく記録を紐解きますと、前年の昭和48年に起きた世界的な石油危機の影響もあって、今の鉄筋コンクリートの校舎や体育館は、開校した年の9月ころに完成しました。そのため、第1期生の方々が入学された当初は、現在、卓球場としてその一部が残っている4棟のプレハブの校舎しかありませんでした。当時の生徒たちは、「不安一杯のスタート」であったものの、荒れた運動場を教職員と一緒に整地するなどしながら、「新しい学校を自分たちで創る」という「開拓者魂」を発揮されました。一方、教員たちも、雨が降ってトタン屋根のプレハブ校舎がけたたましく鳴り始めると、これに負けてはならないと校舎の外にまで声を響かせるなど、当時は生徒と教職員が不自由な思いよりも、新たな学校建設への熱気に包まれた毎日であったといいます。そのような中で、意気に燃えた生徒と教員が共に歩む「師弟同行」の精神が育まれました。先に述べた開拓者魂と師弟同行の精神は学校のモットーとなり、今も様々な教育活動において発揮されています。
 令和2年から世界的に大流行した新型コロナウイルス感染症は私たちの暮らしを脅かし、社会のあらゆる分野に甚大な影響をもたらしました。学校においても、生徒の健康と安全を第一として様々な教育活動に制限や制約が課せられました。ただ、そのような状況下で、本校では、コロナ禍によって社会の動きが滞っている間にも生徒たちは成長を続けるのだという思いを教職員が強くもち、力を合わせて知恵をしぼり工夫をこらしながら生徒の学びを支え、生徒たちは強い自制心と精一杯の努力によってその思いに応えてくれました。そこにも、まさしく開拓者魂と師弟同行の精神が息づいていました。それを、社会が変わっても本質的なものを失わないために新しい変化を取り入れる、という意味の「不易流行」という言葉で捉えたいと考えます。
 生徒たちは今、「Ever Shining 夢に向かって心と体を動かし、みんなを輝かせる人であれ」という本校の目標のとおりに、授業や学校行事、部活動などにおいて相手のことを思いやりながら積極的に行動し、自分らしく輝くだけでなく、まわりの人も輝かせています。
 生徒の皆さん、創立50周年記念事業の統一テーマは、「繋ぐ 半世紀の軌跡 -革新と伝統の共存へ 」です。テーマの中の「半世紀」という言葉は、創立から今までの50年間だけでなく、これから百周年までの50年間をも指すものだと思います。そして、生徒の皆さんと我々教職員がともに、「自分と周りの人のために何ができるのか。何をすべきなのか」を考え、実行し、輝き続けることが、本校の開拓者魂と師弟同行の精神を50年後にも繋いでいくことになる、と信じています。
 終わりになりましたが、御臨席の皆様に対しまして、これまで本校に賜りました御芳情に改めて感謝申し上げますとともに、引き続き、御指導、御鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げ、式辞といたします。
 
  令和5年11月1日 
   愛媛県立松山西中等教育学校長 佐々木 進