お知らせ

 

 校長   佐々木 進


 愛媛県立松山西中等教育学校のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
 本校の前身は、昭和49年に創立された愛媛県立松山西高等学校です。前年の昭和48年に起きた世界的な石油危機の影響によって開校当初はプレハブ校舎しかなく、生徒たちは、荒れた運動場を教職員と一緒に整地するなどしながら、「新しい学校を自分たちで創る」という「開拓者精神」を発揮しました。そして、雨が降ると、トタン屋根のプレハブ校舎がけたたましく鳴り始めるので、これに負けてはならないと教員の声が校舎の外にまで響き渡り、当時は、生徒と教職員が同様に、不自由な思いよりも新たな学校建設への熱気に包まれた毎日であったといいます。
 その後、生徒と教職員が力を合わせて創り上げた松山西高等学校の歴史と伝統を受け継ぎつつ、平成15年に愛媛県立松山西中学校が併設され、平成18年に、中予地域の県立学校で唯一中高一貫教育を行う、現在の愛媛県立松山西中等教育学校となりました。先述の、創立時に育まれた開拓者精神と、高い理想を求めて生徒と教職員が共に汗を流す「師弟同行」の精神は、今も学校のモットーとして様々な教育活動の中に息づいています。
 本校は、1学年4学級で前期課程3年間と後期課程3年間の計6年間を一貫して学ぶ中等教育学校です。「誠実・自学・創造」の校訓のもと、豊かな心と知性を身に付け、高い志を持って、未来を拓く若者を育成する、という教育方針の中で、生徒たちは1年生から6年生までの幅広い年齢集団の中で自分の「学び」を深め、高め合いながら、たくましく成長しています。授業や学校行事、部活動などを通して自らの夢や希望をかなえようと努力している生徒たちの輝きと伸びゆく力を、これからも教職員全員で守り支え続けてまいります。
 
  令和5年4月

ブログ

第2回避難訓練の講評

2024年11月20日 12時58分

 11月19日(火)の6時限目に第2回避難訓練実施し、地震が起きた場合を想定した避難と消火の訓練を行いました。そして、訓練の終わりに、生徒に次のような話をいたしました。

 皆さん、緊急放送の後、「Drop(まず低く)」、「Cover(頭をまもり)」、「Hold on(動かない)」に始まる避難行動ができましたか。4月に行った火災避難訓練のときと同様に、地震避難の際にすべきことやしてはならないことを、今日のうちに再確認してください。その意識と準備が、自分の命や周りの人の命を守ります。
 8月8日、宮崎県で震度6弱の揺れを観測したマグニチュード7.1の地震が起きて、気象庁から南海トラフ地震の臨時情報が出され、巨大地震への注意が呼びかけられました。1週間後の8月15日に特別注意は終了しましたが、大規模地震の発生の可能性がなくなったわけではありません。引き続き、「日頃からの地震への備え」が求められています。
 電気やガス、水道などのライフ・ラインは私たちの生活や生存に不可欠なものです。もし、地震によって水道管が至る所で壊れ、復旧が遅れて断水が長期間続けば、飲料水や生活用水が不足し、「命」にかかわる問題となります。そのため、水や食料などは、数日間は自前の備蓄でまかなえるように準備しておきましょう。南海トラフ地震のような広範囲に影響が及ぶ大地震が起きれば、全国からの救援部隊が自分のいる場所にすぐに駆け付けてくれるとは限りません。被災が想定される地域に住む我々は、自分たちの力だけで生き延びる方策を考え、備えを進めておく必要があります。皆さんには、今日の訓練を、さまざまな観点から普段の生活を見直し、地震への備えを充実させるきっかけにしてほしいと思います。
 終わりになりましたが、松山市消防局中央消防署城北支署の署員の皆様、本日は、まことにありがとうございました。いただいた貴重なご指導やご助言をもとに、自分や仲間の命を守る避難行動を身に付けることに努めてまいります。今後ともご指導を賜りますようお願い申し上げます。
 以上で、私からの講評を終わります。

台湾新竹市私立曙光女子高級中学との交流学習(歓迎のあいさつ)

2024年11月15日 19時50分

 11月15日(金)の10:00~15:00、台湾の新竹市私立曙光女子高級中学の生徒さん28名と引率の先生方3名が来校してくださり、交流会を行いました。歓迎会(開会式)の中で、次のような挨拶をいたしました。とても心温まる交流となり、両校の生徒たちにとってすばらしい体験であったと思います。

 新竹市私立曙光女子高級中学(シンチュウシ スーリー シューグァン ニュゥズ ガオジー ジョンシュエ)の魯和鳳(ルー ホォ フォン)校長様をはじめ教職員と生徒の皆様こんにちは。私は、愛媛県立松山西中等教育学校長の佐々木進と申します。皆様を心から歓迎いたします。
 本日は愛媛県に、そして松山西中等教育学校にようこそお越しくださいました。本校を日本への旅行先の一つに選んでいただき、感謝申し上げます。皆様のご到着を心待ちにし、お会いできることをとても楽しみにしていました。
 6年前の2018年11月、台湾訪日教育旅行団が四国視察のために愛媛県に来られた際、副団長であられた曙光女子高級中学の当時の校長先生が、本校の雰囲気を高く評価してくださったとお聞きしました。そして、それがご縁となり、今回の交流会の実現につながりました。とても喜ばしく光栄に存じます。
 今日は、本校の生徒による学校紹介や歓迎パフォーマンスをご覧いただき、授業や部活動を参観していただきます。本校では、「Ever Shining」(ずっと輝く)という言葉を、生徒と教職員みんなで大切にしています。そして、生徒一人ひとりが6年間の学校生活はもちろんのこと、その後も輝き続けることを目指して教育活動を行っています。皆様に、本校の生徒たちの輝いている姿を見ていただき、交流会を楽しんでいただければとてもうれしく存じます。
 今日の松山西中等教育学校での交流をはじめ、愛媛県や日本各地での体験が、皆様にとって有意義なものとなり、忘れられない思い出となることを願っています。
 ご来校に改めて感謝申し上げます。ご清聴いただきありがとうございました。

令和6年度運動会あいさつ

2024年9月11日 14時19分

 9月10日(火)と11日(水)の二日間、それぞれ午前中のみの実施として、令和6年度運動会を開催しました。開会式と閉会式で、それぞれ次のような挨拶と講評をいたしました。

【開会式 あいさつ】
 おはようございます。ご来賓の皆様や保護者の皆様には、令和6年度運動会をご参観くださり、まことにありがとうございます。また、地域の皆様には、これまで生徒たちの練習の声が響き渡る中、ご理解とご協力を賜り、深く感謝申し上げます。
 今年は、かつてない程の「危険な暑さ」ですが、生徒のひたむきな努力と教職員の細やかな支援によって今日の日を迎えることができました。熱中症予防のためのいろいろな対策を行い、特に、午前中のみの2日開催に変更することを決めた際には、生徒全員にとって楽しくすばらしい運動会にしたいという願いを込めました。
 そして、生徒の皆さんは我々のその思いに十分応えてくれました。競技や演技の練習のときの熱心な取り組みの姿勢や、応援練習のときの大きな声にみなぎる団結心、さまざまな準備においての積極的な態度など、常に周りの人を思いやりながら行動をしていました。
 さあ今日と明日、その成果を存分に発揮してください。テーマのとおりに、生徒の皆さん一人一人が運動会をとおして、自分自身の「最高の輝きを目指す」ことを期待し、ご観覧の皆様にご声援をお願いして開会のあいさつといたします。

【閉会式 講評】
 皆さんの競技や演技はどれもすばらしいものでした。また、どのグループも力を尽くしている様子を見て、胸が一杯になりました。
 その中で、総合優勝に輝いた暁雲グループの皆さん、おめでとうございます。様々な困難を乗り越えた上での勝利ですから感慨無量でしょう。大きな喜びをグループのみんなで分かちあってください。
 そして、去年と同様の大切な話をします。栄冠を手にできなかった三つのグループの皆さん、特に、6年生は悔しくて悲しい思いで一杯でしょう。ただ、皆さんもまた、優勝した人たちに負けないくらい、とても大事なことを経験したのです。なぜなら、あることを成し遂げようとして、それを強く願い、一生懸命に努力を重ねたものの実現しなかったとき、それは、人間にとって最も尊い瞬間の一つだからです。どうか、そのことを忘れないでください。
 昨日と今日、全てのグループの皆さんの輝きに照らされて私の気持ちや心は明るくなりました。ありがとうございました。これからも、自分らしい最高の輝きを目指してください。
 おわりに、運動会の企画・準備や運営に協力してくれた生徒会や各部の皆さんのおかげで、楽しくすばらしい運動会となりました。ありがとうございました。そして、ご観覧の皆様には、最後まで温かいご声援をいただき、心からお礼申し上げます。また、地域の皆様には生徒たちの活動にご理解とご協力を賜り、深く感謝申し上げます。この運動会を創り上げた、全ての生徒と教職員に改めてお礼を述べ、閉会のあいさつといたします。ありがとうございました。

第2学期始業式 式辞

2024年8月26日 17時28分

 8月26日(月)に本校体育館において、第2学期始業式を行い、生徒たちに次のような話をいたしました。

 おはようございます。皆さんと笑顔で再会できました。1学期の終業式で、本校図書館の「さくら文庫」について話をしながら、「本を読みましょう。人の気持ちを想像し思いやることを大切にしましょう。そして、かけがえのない命をどうか大事にしてください」と伝えました。皆さんの心に伝わっていれば、とてもうれしいです。こらからも忘れないでください。
 さて、夏休みの間、学校に来て勉強や部活動などに取り組み続けている人が大勢いました。そのような皆さんの姿を見ながら、「続けること」の大切さを考えました。私も、校長の職に就いた4年前から続けていることがいくつかあります。その内の一つは、就任のお祝いにいただいた四つの鉢植えの胡蝶蘭を育てることです。胡蝶蘭は温度や湿度の管理が必要なため温室以外の場所で育てるのは難しく、美しい花が咲いている数か月を過ぎて枯らせてしまうことが多いそうです。私は、贈ってくださった方々の気持ちがありがたく、できるだけ長く生かしたいと思い、定期的に水や肥料をやり、毎日、朝方に日差しを浴びせたり、冬場の朝と晩には窓辺から比較的暖かい場所へ移動させたりと、植物の気持ちを想像するのを楽しみながら世話を続けています。すると、初めのころは花を咲かせることを目標にしていたのが、やがて、葉の色つやがよいことだけでも、うれしいと感じるようになりました。今では、花芽が伸びたものも花芽が出なかったものも、同様に愛おしく思います。
 あることに取り組み続けると、それまでの感じ方や考え方が広がったり深まったりします。皆さんも、そのことを勉強や部活動などをとおして実感したことはありませんか。苦手教科の成績が上がったり、部活動ですばらしい結果を残せたりしただけでなく、学習内容に興味や関心が生まれたことで自分の進路希望がはっきりした人や、支え支えられることの責任感やありがたさを忘れないことがチームワークだと実感したりした人もいるのではないでしょうか。それらのことに気付いたとすれば、何かを続ける中で、興味・関心があることや楽しいこと、都合の良いことだけでなく、むしろ無駄に思えることや苦手なこと、辛いことを経験したからこそだと思います。「継続は力なり」という言葉がありますが、何かを続ける過程で自分の身に起きる様々な経験が皆さんの力を少しずつ高めていきます。
 まだまだ暑い日が続きます。生徒の皆さんが、体調管理をしっかりとしながら元気で充実した2学期を送られることを期待して式辞とします。

令和6年度 松山西高等学校・中等教育学校同窓会 あいさつ

2024年8月20日 12時46分

 8月13日(火)にANAクラウンプラザホテル松山にて、令和6年度(第46回)松山西高等学校・中等教育学校同窓会「陽光会」創立50周年記念同窓生の集いが開催され、多くの同窓生や元本校教職員の方々がお集まりになられました。その総会で校長として次のような挨拶をいたしました。

 皆様こんばんは。校長の佐々木でございます。平素から、本校の教育活動に多大なご支援を賜り、厚くお礼申し上げます。本日は、多くの同窓生や元教職員の皆様がお集まりになられ、創立50周年記念同窓会が盛大に開催されますこと、まことにおめでとうございます。心からお祝い申し上げますとともに、松山西高等学校・中等教育学校のこれまでと、これからの歩みを温かく見守ってくださり、校長として深く感謝申し上げます。
 新型コロナウイルスの影響を考慮して、昨年度と本年度の2年間を周年記念行事期間とし、去年の11月に挙行した創立50周年記念式のほか、様々な行事を実施してまいりました。それらの式や行事の度に同窓会の長野会長様をはじめといたしまして役員の皆様には、ご多用にもかかわりませずご出席くださり、愛情のこもったエールを生徒や学校に賜りましたこと、重ねてお礼申し上げます。まことにありがとうございました。
 さて、これまで、機会を捉え本校の歴史や伝統、関係者の思いなどを生徒に話してまいりました。本校の創立1年目。前年の昭和48年に起きた世界的な石油危機の影響もあって、今の鉄筋コンクリートの校舎や体育館は開校した年の9月ころに完成したこと。そのため、第1期生の方々が入学された当初は、前卓球場としてその一部が残っている4棟のプレハブ校舎しかなかったこと。当時の生徒たちは「不安一杯のスタート」であったものの、荒れた運動場を教職員と一緒に整地するなどしながら、「新しい学校を自分たちで創る」という「開拓者魂」を発揮なされたこと。一方、教員たちも、雨が降ってトタン屋根のプレハブ校舎がけたたましく鳴り始めると、それに負けてはならないと校舎の外にまで響く声で授業をなされたこと。当時、生徒と教職員にとっては、不自由な思いよりも新たな学校建設への熱気に包まれた毎日であり、そのような中で、意気に燃えた生徒と教職員が共に歩む師弟同行の精神が育まれたことを生徒に話しました。
 そして、22年前、松山西高校内に中学校が併設され松山西中高一貫校教育が誕生した本校では、伝統の「開拓者魂」と「師弟同行」の精神を生徒と教職員が改めて発揮し、今も、その誇りと自信を胸に日々の教育活動に一緒になって取り組んでいます。生徒たちは、進路実績や部活動などにおいて、すばらしい成果を上げているだけでなく、「Ever Shining 夢に向かって心と体を動かし、みんなを輝かせる人であれ」という本校の重点努力目標のとおりに、授業や部活動などで相手のことを思いやりながら積極的に行動し、自分らしく輝くことを通して周りの人も輝かせています。われわれ教職員も、そのような生徒たちの学びをさらに深め、広げるべく、令和8年度に後期課程において「国際コース」を設置し、確かな語学力や豊かな国際感覚、グローカルな視点による課題解決能力などを身に付けた、地域や世界で活躍できる人を育てるために準備を進めています。
 これからも、生徒と教職員が共に汗を流しながら、「開拓者魂」と「師弟同行」の精神を発揮し、新たな学校づくりに精一杯取り組んでまいります。皆様には、どうか今まで同様にお力添えを賜りますよう切にお願い申し上げます。結びに、陽光会の益々のご発展と、ご参会の皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げ、あいさつとさせていただきます。

生徒の皆さんへのエール

2024年8月1日 14時35分

 生徒の皆さん、どのような夏休みを過ごしていますか。感染症や熱中症、病気、事故等に気を付けながら、健康で充実した夏休みにしてください。
 第1学期の終わりに皆さんに配布した令和6年度「進路の手引き」の巻頭言に、「『未来の自分』は『今の自分』の中にある」と題したメッセージを書きました。改めて学校ホームページに載せ、皆さんにエールを送ります。

 私は子どものころから、しなくてはならないことに取りかかるのが遅かった。やる気を起こす努力をせずに楽な方へ流れ、やがて機を失することに焦り、締め切り間近になって始めることが多かったのです。その取り組み方がよくないことは分かっていても改められず、追い詰められて心身ともに苦しい思いを経験したにもかかわらず同じことをしてしまう自分を情けなく思いました。
 そのような私にとって、春休みや夏休みといった節目は気分が変わるのでうれしく、中でも、冬休みの元日(新しい年の最初の日)という日には魔力がありました。何もかもが新しくなったように感じられ、不甲斐ない自分は昨日までの自分であって、今日からは新しい自分に生まれ変わるという気分になりました。その上、いろいろなことへの挑戦がうまくいきそうな期待感さえ持てたのです。しかし、正月三が日を過ぎ、冬休みが終わるころには、元日の清新な気持ちやみなぎる意欲がいつの間にか薄れ、いつもの自分に戻っていきます。ついには、一年後に再び、これまでの元日と同じ気持ちで新たな元日を迎えてしまうのでした。私にとって元日という日は、自分の中の情けない面を克服することから逃げる、都合のよい免罪符だったのです。
 いつの日か、なりたい自分になる。勉強や部活動、将来の進路などにおいて、そう願いながら努力を続けている生徒は多いでしょう。ただ、その自己成長は、自分以外の偶然の力によってもたらされるものではありません。まるで、種子から幼木が芽生え、やがて美しい巨木へと生長するように、自分自身の将来の可能性やその具体像はすべて、「今の自分」という「種」の中にあるのです。もっと言えば、今のこの自分の中にしかないのです。だから、なりたい自分になるためには、自己を鍛え磨き、育てなければなりません。元日の話に戻れば、新しい年を迎え、気持ち新たにこれまでとは異なる方法で、いろいろな物事に向かっていくことは大切です。一方で、昨日までの私が今日の私となり、やがて明日の私へとつながる、その積み重ねの結果として自分自身は形づくられ成長する、ということを忘れてはならないのです。
 私には、自分の高校3年生のときの冬休みの思い出がありません。大学共通第一次学力試験(「共通一次」と呼ばれ、後に大学入試センター試験から大学入学共通テストとなる)が迫り、たぶん、それまで以上に共通一次の準備に取り組んだとは思います。しかし、共通一次が終わってから大学・学部別の大学入試過去問題集(いわゆる「赤本」)を解き始めたくらいですから、計画を立てて熱心に受験勉強に取り組んだ高校3年生の秋・冬ではなかったはずです。取りかかるのが遅く、しかも地道な努力を一生懸命にしたとは言えないような受験生活だったために、冬休みの印象も薄いのでしょう。その大学の受験結果は不合格でした。「自分にかかわることは、すべて自分にとって幸せなこと」を信条としている私は、どのような境遇も引き受ける覚悟を持っていますが、高校時代の、すべきことやできることを全力でやりきらなかった大学受験への向き合い方は、自分にとって忘れてはならない後悔の一つです。
 生徒の皆さんには、自分の進路を切り拓くために何事にも全力で取り組んでほしいのです。まずは、なりたい自分、すなわち自分の理想や夢、将来の自分の姿を一生懸命に思い描きましょう。そして、それをかなえるために、授業や宿題、自主学習に精一杯取り組み、先生や先輩、友人と相談したり、この『進路の手引き』をはじめとする様々な資料を活用したりして、納得する進路を実現してください。「未来のあなた」は「今のあなた」の中にあります。

第1学期終業式 式辞

2024年7月19日 16時25分

 7月19日(金)、本校体育館において第1学期終業式を行い、生徒たちに、次のような話をいたしました。

 おはようございます。皆さんにとって1学期が充実した毎日であったとすれば、とてもうれしいです。ただ、そうであっても、去年のこの終業式で今の2年生に話したように、1年生の皆さんは、新しい環境や人間関係が始まり、戸惑うことや苦労も多かったことでしょう。よく頑張りました。通学の様子や、授業や部活動などに一生懸命取り組む姿を見ながら、いつも応援していました。これからも、自分の力を信じて、学校生活に少しずつ慣れていってください。
 さて、夏休みの計画を立てている人は多いと思います。ぜひ、その中に「読書」も入れてください。読書には、時間や空間を超えて様々な人や物事に出会える楽しみがあります。また、読書によって、自分を支えている考え方やものの見方が深まります。大事なことだと感じ取ってはいても、それを自分の中でうまく表現できないでいることはよくあります。そのようなときに、自分が感じ取っていることを言い表すような言葉や文章に出会うと、幸せな気持ちになります。しかも、少しだけ自信が増し、人に優しくなります。
 本校図書館の中の南側、成願寺の桜が見える場所に、「さくら文庫」というコーナーがあります。20年前の平成16年7月に、中等教育学校の1期生で、当時2年生だった奥村さくらさんが、朝、登校の途中で、本人には全く責任のない交通事故に遭い亡くなりました。大切な仲間を失い、さくらさんの無念とご家族の悲嘆を思い、学校全体が大きな悲しみに沈みました。その時に、さくらさんのご両親から、「西校のみなさんのために役立ててください」と寄付していただいた基金によって図書を購入し、さくらさんを偲んで「さくら文庫」と名付けました。その後も、毎年7月にご両親から寄付をいただき、現在、さくら文庫の書籍は456冊になります。さくらさんが20歳になられたであろう年まで、毎年、さくらさんとその同級生の年齢に合う図書を多く選びました。
 皆さん、本を読みましょう。人の気持ちを想像し、思いやることを大切にしましょう。そして、かけがえのない命をどうか大事にしてください。これらのことを忘れず、充実した学校生活を送ってほしいと思います。2学期の始業式で皆さん全員と笑顔で再会することを楽しみにして、第1学期終業式の式辞とします。

水泳部・野球部 大会出場壮行会あいさつ

2024年7月5日 08時04分

 7月4日(木)、夏季グループマッチ終了後に体育館にて、第75回四国高等学校選手権水泳競技大会、第76回愛媛県中学校総合体育大会水泳競技、第106回全国高等学校野球選手権愛媛大会にそれぞれ出場する選手たちの壮行会を行いました。そして、選手の皆さんに次のようなエールを送りました。

 7月13日から香川県高松市で開催される四国高等学校選手権水泳競技大会と、7月14日から松山市内で行われる愛媛県中学校総合体育大会水泳競技の部にそれぞれ出場される選手の皆さん。愛媛県や松山市の代表として競技に参加する誇らしさと、感謝の気持ち、そして、これまで努力を積み重ねきた自信を胸に、自分のベストタイムを目標に、精一杯、力を発揮してください。皆さんの健闘を心から願っています。
 また、第106回 全国高等学校野球選手権 愛媛大会が7月13日から始まります。総体や野球の季節になると、私は今でも4年前を思い出します。高校野球では、令和2年度の春の選抜大会が県・全国ともに中止となり、夏の選手権大会も、県では夏季野球大会に変更され、全国甲子園は中止となりました。新型コロナウイルス感染拡大の影響です。感染リスク回避のために苦渋の判断がなされました。ただ、その時の選手たちの気持ちを思うと今でも涙がでます。
 野球部の皆さん。多くの方々の声援を受けながら、真剣勝負を挑んでくるチームを相手に大好きな野球ができる幸せを噛みしめてほしいと思います。そして、全員の力を合わせ、「一戦必勝」の精神で戦い抜いてください。皆さんが、練習をはじめ何事も丁寧に行うことによって身に付けた力は、試合の中の様々な場面で必ず発揮されます。自信を持ち、粘り強く丁寧にプレーする、これを貫いてください。
 高校野球は、どのようなチームであっても、敗者になるか勝者になるかは最後までわかりません。一球一球を大事にしながらガッツあふれる試合をして勝利をつかみ、グラウンド中に校歌を響かせてください。応援しています。

夏季グループマッチあいさつ

2024年7月5日 07時48分

 7月4日(木)、令和6年度夏季グループマッチを行い、グラウンドや体育館、武道場、技術教室で、各種競技の熱戦が繰り広げられました。開会式と閉会式において、それぞれ次のような話をいたしました。

【開会式】
 皆さん、おはようございます。いよいよグループマッチが始まります。各グループの一員として力を合わせながら試合を行い、思い出に残る行事にしてほしいと思います。そのために、次の3つのことを心がけてください。
 1つ目は、「自己管理」です。さまざまな種目や競技が実施されます。自分の出場する競技の場所や開始時刻などに気を付けてください。また、熱中症にならないよう、こまめな水分補給や身体を休めることに努め、感染症予防についても手洗いや手指消毒などの基本的対策を行って、自分自身で体調を整えてください。
 2つ目は、「感謝」です。グループマッチ実施のために様々な準備をし、今日も、運営や審判、用具の管理などをしてくださる先生方や生徒の皆さんに、感謝の気持ちを持って試合に臨んでください。そうすれば、自ずとフェアプレーの精神が発揮されるはずです。
 3つめは、「助け合い」です。チームメイトと助け合いながら競技を楽しんでください。その結果、喜びを分かち合うことができ、素敵な思い出になります。助け合い励まし合うことのすばらしさも体験してほしいと思います。
 今話をした「自己管理」「感謝」「助け合い」、この3つを忘れず、けがをしないように注意しながら、有意義に過ごしてください。それぞれの競技で皆さんが力を発揮されることを期待して、開会のあいさつとします。


【閉会式】
 お疲れさまでした。皆さんがそれぞれの競技を一生懸命に楽しんでいる姿を見ながら、私も楽しみましたし、うれしくなりました。ありがとうございました。
 競技の魅力の一つは、体で感じることを通して新たな発見をすることがある、ということです。私は、高校の体育の授業でラグビーを教わりました。クラスメイトにラグビー部のキャプテンでスタンドオフをしていた人物がいて、あるとき、授業中の試合でボールを持って走っていた私は、体格のよい彼のタックルを受けました。一瞬の出来事にもかかわらず、そのときの様子や感覚を今でも覚えています。強くて大きい衝撃でしたが不思議と痛みはなく、気付いたときにはグラウンドに倒されていました。タックルの向きや位置、高さが的確であまりに見事だったので、思わず笑顔になり、うれしくなったほどでした。力を抜くことなくプレーしていた彼の競技者精神と、高い技術の安全性や美しさを、身を持って感じた貴重な経験でした。
 皆さんには、これからも、競技に親しんで仲間と楽しさや喜びを共有したり、新たな発見をしたりしてほしいと思います。そして、開会式で話した3つのこと、「自己管理」「感謝」「助け合い」を様々な場面で実践してください。そのことによって、ものごとはうまく進み、皆さん自身の心が豊かになります。
 最後になりましたが、グループマッチの準備や運営に協力してくれた生徒の皆さん、本当にありがとうございました。感謝の気持ちを伝えて閉会のあいさつとします。

5年生修学旅行結団式あいさつ

2024年5月12日 15時34分

 5月10日(金)、定期考査終了後に5年生は体育館に集まり、修学旅行(5月13日~17日)の結団式を行いました。生徒たちに、次のような話をいたしました。

 こんにちは。修学旅行の間、皆さんの心の中に持ち続けてほしいものが3つあります。
 まず、「感謝」の気持ちです。旅行に行かせてくださる保護者の方や、旅行の実現のために皆さんを支え準備をされてきた先生方や旅行業者の方は、皆さんに安全と健康に気をつけた上で貴重な経験をしてほしいと、ずっと願ってこられたことを忘れないでください。
 次に、「自律」の精神です。自分だけでなく参加者全員にとって楽しい学校行事にするためには、一人ひとりがルールや時間を必ず守り、けがや事故に遭わないための安全管理と感染症対策を含む体調管理をしっかりと行い、自分自身をコントロールしなければならないことを忘れないでください。
 そして、周りの人への「思いやり」です。皆さんは今後、学校内のいろいろな場面で、今以上にリーダーとなったり重要な役割を担ったりします。さらに、2年後には社会人として様々な集団の中で活躍することとなります。そのようなときにとても大事なのは、相手の気持ちや状況を思いやり、相手の立場に立って考えたり行動したりすることです。修学旅行はそのことを学び実行するチャンスです。それを忘れないでください。
 皆さんが元気に出発して、多くの貴重な経験を得て、元気に帰ってくることを楽しみに待っています。「行ってらっしゃい」という言葉は、「無事に行って、帰っていらっしゃい」という意味です。改めて言います。皆さん、行ってらっしゃい。