令和7年度卒業証書授与式式辞
2026年3月1日 12時15分式辞。ここ久万の台に春の息吹を感じられる今日の佳き日に、長きにわたり本校をお支えいただいている、同窓会長の伊賀上 竜也様をはじめ御来賓の方々、保護者の皆様方の御臨席を賜り、令和7年度愛媛県立松山西中等教育学校卒業証書授与式を挙行できますことは、私ども教職員一同にとりまして、この上ない喜びであります。厚く御礼申し上げます。
保護者の皆様方におかれましては、本日のお子様の姿に、幼いころからの様々なできごと、そして本校への入学時のこと、在学中のたくましい成長の過程が思い出され、感慨もひとしおのことと拝察いたします。これまでの御労苦と御慈愛に対しまして、深く敬意を表しますとともに、お子様の晴れの門出を、心よりお喜び申し上げます。またこの間、本校の教育活動に多大なる御理解・御協力を賜りましたこと、厚く御礼申し上げます。
ただ今、卒業証書を授与いたしました145名の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんは、本校での6年間の学業を終え、卒業の時を迎えたわけですが、今、本校で学んだ時間を振り返り、いろいろな想いを巡らせていることと思います。皆さんは、令和2年4月に入学されました。前年度から続く、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う臨時休業の最中でした。学校が再開した後も、様々な制約が続き、後期課程に入った令和5年5月に、ようやく、学校に日常が戻ってきました。それぞれの学校には、独自の校風や伝統というものがあり、それは、日々の教育活動の中で、先輩から後輩へ連綿として伝えられるものです。コロナ禍における様々な制約は、校風や伝統の継承という観点からも大きな危機であったといえます。そのような中、皆さんは、しなやかに、そして、たくましく成長し、最高学年に至り、優れたリーダーシップを発揮して、本校の勢いを受け継いでくれました。こうした皆さんの頑張りに感謝し、敬意を表したいと思います。
ここで、皆さんに、ある先哲の言葉を紹介いたします。江戸時代の哲学者である石田梅岩(いしだ ばいがん)の言葉です。梅岩は、商人としてのあり方生き方を平易な言葉で多くの人々に説き、その思想は、石門心学(せきもんしんがく)と呼ばれています。梅岩の言葉に、「まことの商人は、先も立ち、我も立つことを思うなり」というものがあります。これは、自分だけの利益を追うのではなく、相手の幸せを同時に願い、共に栄えることこそが真の道であるという教えです。現代風に言えば、多様性を認め合い、他者と手を取り合う「共生」や「協働」の精神にほかなりません。今後、皆さんは、異なる立場や価値観を持つ人々と協働する場面に多く出会うことでしょう。しかし、心配はいりません。皆さんは、この中等教育学校という、年齢も個性も異なる仲間が集う環境の中で、すでにその「協働する力」の基礎を、6年間かけてしっかりと育んできました。どうか、自分を信じて、自信を持って新しい世界へ踏み出してください。
それでは、卒業生の皆さん、いよいよ旅立ちの時がやってきました。のこる私たち教職員は、在校生とともに、皆さんから受け継いだ校風と伝統を、次の世代に伝えることができるよう精進しますとともに、皆さんにとっての心のよりどころであり続けたいと考えています。皆さんには、今後は、同窓生として、後輩たちを見守っていただくとともに、それぞれのお立場から、本校と愛媛県の発展にお力添えをくださるようお願いいたします。
結びに、卒業する皆さんの、これからの人生が、幸多いものでありますよう、心から祈念し、式辞といたします。
令和8年3月1日