第3学期終業式 式辞
2025年3月20日 14時01分 3月19日(水)に第3学期終業式を行い、次のような話をいたしました。
おはようございます。去年の4月から今年の3月まで、皆さんにとってはどのような1年間でしたか。私は、うれしいことの多い充実した1年でした。特にうれしかったことの一つは、本校の重点努力目標のとおりに、自分が輝くとともに周りの人も輝かせたいという気持ちを、言葉に表したり行動で示したりする生徒が多くいた、ということです。皆さんがそのような思いで学校生活を送れば、本校はきっと日本一の素晴らしい学校になります。
さて、先日の陽光祭では、茶道部のお茶会において心のこもったおもてなしを受けながら、おいしい抹茶とお菓子をいただきました。その会では、私が、「一灯」と名前(銘)を付けた茶杓が使われていました。一灯は、漢数字の「一」に、船が海を渡るときの安全を図る灯台の「灯」の字を書きます。新しい茶杓にこの名前を付けた理由は、誰もが、「心の中に一つの灯火を持って歩み、小さな善い行いを重ね、自分が置かれた所で精一杯に努力し一隅を照らす」、そのような人でありたい、という希望を込めたからです。
かつて、オーストラリアの、次のような話を聞いたことがあります。大陸の荒野に立つ一軒屋に、目と足の不自由な女性が住んでいました。その女性は夜になると、窓辺に1本のろうそくの灯をともすことを日課としていました。 荒野を旅する人が迷わないように、旅の目印になることを祈ってのことでした。小さな1本のろうそくを灯すことが、その女性にとって、生き続けるための希望であり、いきがいでもありました。いつ通るとも知れない旅人のためにろうそくを灯し続けたその人は、「誰かの役に立ちたい」という希望を持って、日々、暮らしていたのでしょう。
皆さんには、これからも誠実さと思いやりを大事にしながら、どのようなときも希望を失わず、一日一日を大切に生きてほしいと願っています。