第2学期終業式 式辞
2024年12月20日 14時57分 12月20日(金)、本校体育館において第2学期終業式を行い、生徒たちに次のような話をいたしました。
おはようございます。学校は、保護者や業者の方々の他にもいろいろな方から電話をいただきます。例えば、本校生徒の自転車のマナーを注意してくださる方は、軽車両運転者の皆さんが被害者や加害者にならないために電話をくださっています。
また、本校生徒がこのような善いことをしていた、と電話をくださる方もいます。困っている人を見て、当たり前のように善きことを行う県西生。本校の生徒にこうあってほしいと願う姿を、皆さんが自ら示してくれると、私たち教職員はとても幸せな気持ちになります。
さて、私が尊敬する先輩からの便りの中に、ときおり書かれている言葉があります。それは、農学者・教育者であり国際人でもあった新渡戸稲造が作った、「見む人の為にはあらで奥山に おのが誠を咲く桜かな」という歌です。人が足を踏み入れることのない山奥に自生する桜は、誰に見せるでもなく自分の「誠」、すなわち真実の姿である「花」を咲かせている。それに心を動かされた新渡戸の気持ちが伝わってきます。そして、その歌が添えられた便りをいただくたびに、美しい桜の花を想像しつつ、「誰も見ていない、気付かないときこそ誠実でありたい」という先輩からのエールとして受け止めています。
初めに話した、善きことを行った生徒は、人が見ているから、ほめられたいからではなく、誰が見ていようが見ていまいが、困っている人が誰であれ、思いやりの気持ちをもって行動したのでしょう。外部の方から、そのようなうれしいご連絡をいただいたとき、私はいつも新渡戸の歌が頭に浮かびます。奥山に咲く桜の人知れぬ「誠」に美しさを感じた新渡戸がそれを歌にしたのと同じく、当然のように人助けをする生徒の誠実さに感動なされた方が、学校までわざわざ伝えてくださったのだと思います。皆さん。誰かに善きことをプレゼントするサンタクロースのような人になってください。
冬休みが始まります。感染症対策を行い体調には十分気を付けて、よい年を迎えてください。特に、6年生には進路実現のためにも時間を丁寧に使ってほしいと思います。3学期の始業式で皆さん全員と元気な声で新年の挨拶を交わすことを楽しみにしています。