学校新聞第32号「卒業生に贈ることば」
2024年3月16日 09時55分 先の3月1日に挙行した卒業証書授与式後、卒業生たちの進路が決まり始めています。本校の学校新聞第32号への寄稿文「苦みや雑味を味わう」を載せ、改めてエールを送ります。
第16期生の皆さんは、世界的なコロナ禍の中、強い自制心と精一杯の努力によって立派に成長されました。そのような皆さんに、令和2年3月22日付の朝日新聞の「声」欄に掲載された、ある中学生の投稿を紹介します。「休校で気付いた 学校に行く意味」というタイトルが付けられ、こう書かれていました。
「今、学校生活と大きく違うのは『嫌い』なものに触れなくなった点だ。学校に行けば苦手な人と顔を合わせ、嫌いな教科も学び、時に退屈な時間を過ごすこともある。でもその苦みや雑味も含めた日々は、何にも代えがたい味わいがある。」「好きなものばかりを選び取るのは良くないこと。学校では勉強だけでなく、人との関わりや課題を乗り越える力、生きていくために必要な力も学ぶのだと、休校体験から気付いた。」
卒業生の皆さんは、これからも時折、様々な「苦み」や「雑味」を経験するでしょう。でも、それらを、「嫌い」なものとして避けたり取り除いたりするのではなく、自分にとって「何にも代えがたい」必要なことの一つとして味わい尽くそうとすれば、そのとき、皆さんの人生はより豊かなものになっているはずです。