令和7年度 入学式 式辞
2025年4月8日 19時30分4月8日(火)、本校体育館において令和7年度入学式を行い、式辞を述べました。
ここ久万ノ台の咲き誇る花々と美しい新緑に、本格的な春の訪れを感じる、今日の佳き日に、来賓のPTA会長、菅野 雅之(すがの まさゆき)様の御臨席を賜り、多くの保護者の皆様の御出席をいただく中、令和七年度愛媛県立松山西中等教育学校入学式を挙行できますことを、大変ありがたく存じますとともに、厚くお礼申し上げます。
また、保護者の皆様におかれましては、お子様の晴れ姿に、喜びもひとしおのことと存じます。私ども、教職員にとりましても、こうして新入生を迎えられましたことは、この上ない喜びであります。
ただ今、入学を許可しました、一六〇名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。在校生、教職員一同、本校を選んでくださった皆さんを心から歓迎申し上げますとともに、これからの皆さんの活躍を大いに期待しております。
本校は、昭和四九年(一九七四年)四月に設立された、愛媛県立松山西高等学校を前身としています。同校は、本県の生徒数の戦後一つ目のピークを背景に新設された学校であり、県立高校の中では、比較的新しい歴史を持つ学校といえます。それがゆえに、設立当時、生徒と教職員が手を携えて理想の学校を創ろうとする気運にみなぎっており、その伝統を受け継ぐ「開拓者魂」と「師弟同行」の精神は、現在でも本校教育の根底をなしています。また、本校は、平成一五年(二〇〇三年)四月に中高一貫教育を導入し、新しい歴史を創りつつ現在に至ります。中予唯一の県立中等教育学校であり、本県の中学校・高校教育、すなわち、中等教育を先導する役割を期待されている輝かしい学校であります。
中高一貫教育の強みは何でしょうか。六年間を通した系統的・計画的な教科学習や学校行事、キャリア教育などはもちろんですが、私は、「ロールモデル」との出会いもその一つであると考えています。ロールモデルとは、社会人の職業的成長を考えるうえで注目されているビジネス用語であり、英語の「role(役割)」と「model(手本)」がもとになっている言葉です。人は、社会的に成長していく過程で、優れた能力や考え方などを持つ先輩や上司に出会い、「あの人のようになりたい」という思いを持つことがあります。その人がロールモデルです。そのような人との出会いは、どのような効果をもたらすでしょうか。その人と自分をよい意味で比較することで、自分の持ち味を発見したり、足りない部分に気づいたりすることができます。そして、理想とする自分に近づくための具体的な目標を立て、着実に進むことができるようになります。
皆さんにとってのロールモデルは、大人でもかまいませんが、上級生である先輩方は、大人に向かって、皆さんよりも少し先を進んでいる身近な存在であり、皆さんにとってこの上ないロールモデルになると思います。中高一貫教育校では、中学校や高校とは異なり、六学年という幅広い年齢層が交流できます。どうか、今後の学習や部活動の充実、進路希望の確立と実現に向け、そうした本校ならではの強みを、ぜひ生かしていただきたいと思います。
保護者の皆様、本日お預かりしたお子様たちが、本校のグラデュエーション・ポリシーにある「自ら学び、考え、行動する力」をはじめとする資質・能力を身につけられるよう、教職員一同、中高一貫校という他校にはない環境を教職員自らの研修・研鑽の好機ととらえ、指導力を高めつつ、教育活動に全力を尽くす所存でございます。しかしながら、学校教育は、教職員と保護者の皆様との相互理解、一致協力があってこそ成し遂げられるものと考えております。保護者の皆様におかれましては、本校の教育活動に関心をお持ちいただくとともに、日々の継続的な連携を、是非ともお願い申し上げます。
最後になりますが、本日入学されました新入生の皆さんが、地域や国際社会の発展に貢献できる人材としてたくましく育ち、六年後にそれぞれが目指す進路を切り拓かられることを祈念し、式辞といたします。