10/18(金)のe-ラーニング

2019年10月19日 19時49分

10月18日金曜日のe-ラーニングは、東京大学先端科学技術研究センター准教授の谷内江 望(やちえ のぞむ)先生の御講演でした。
テーマは「DNAレコーディング生物学」。何だか聞き慣れない言葉ですが、谷内江先生のお話によると、細胞の中に「デジタルビデオカメラ」のような存在の物質を導入し、細胞の内部状態、細胞分裂の過程を「DNAのテープ」に人工的に記録していくことで、現在知り得ない様々な情報が得られるとか。この研究を利用して、たとえばアメリカでは、生きたマンモスを復元する研究が行われているそうです。
また、ヒト型ロボットを多数用いて実験を自動化し、ネットワークで接続することで、研究のスピードを大幅に向上させる取組をされているというお話もありました。研究者自身はラボを持たない未来もひょっとしたらあるのかも知れませんし、将来の研究者はますます「アイディア勝負」の職業になるのかも知れませんね。

【参加生徒の感想】

・非常に面白かった。目の前に見ることができない過去や未来を、理屈で分かったと思っているが、それをレコーディングしようとしているのは、どこか盲点のようで面白い発想だと思った。驚くべきことが知らない間に可能となっていて、SF的で面白い。その反面、現実的には困難なことも多いと知って楽しかった。(5年生・文系・女子)

・DNAの中に人工の塩基を挿入し、配列の変化を見ることで受精卵から1つの個体になるまでの分化の過程をより詳しく解明するというアイディアが興味深いと思いました。(5年・理系・女子)

・私達が普段学んでいる生物とは違って、これからの生物学の行くべき道を学ぶことができました。マウスにバーコードのようなものを埋め込んで、そこから進化の過程を知ることができるということで、実験によって生物が命を失うことを最低限に抑えて観察することができるのはとても素晴らしいことだと思いました。(6年・理系・女子)

・話されていることが結構難しくて、聞いたことのない言葉もたくさんあったけど、楽しくDNAやゲノム編集について知ることができてよかったです。DNAのレコーディングドライブが完成して使えるようになったらいままで現在のことしか分からなかったものが過去から現在までの過程について知ることができると知ってすごく楽しみだなと思いました。(4年・女子)

【写真】
谷内江先生のお話しぶりは、本校卒業生の石丸翔也さんの御講演を思い出しました。

受験前の6年生や、本校の理科教員も、興味深い御講演に聞き入っています。